マーケットコメント:OPEC生産量引き上げ見送り!今年3度目か?
2024年12月06日![12月6日、本ページでは、OPECが今年3度目となる生産量の引き上げを延期した件について、その内容を分析していきます。](https://www.tozaifx.com/wp-content/uploads/2024/12/mc20241206.png)
東西FXマーケットコメント – 2024年12月06日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、OPECが生産量の引き上げを再び延期した件について、現在のマクロ経済状況を踏まえつつ、その内容と背景を分析していきます。メインテーマは、OPECの原油生産量引き上げ見送りとドルカナダのテクニカル分析。
【12月5日】OPEC生産量引き上げ見送り!今年3度目か?
石油輸出機構(OPEC)が先日、今年3度目となる生産量引き上げの見送りを発表した。
OPECとOPEC+は供給過剰を懸念視しており、今月も原油生産量引き上げを見送った。これはここ3ヶ月連続であり、今年3回目の見送りである。OPECプラスは継続的な供給拡大を目指しており、来年1月に18万バレルの生産量増加を予定していた。しかし、今回の発表で4月まで延期となった形だ。
Bloombergによれば、トレーダーはこの背景に中国での原油の需要低迷があると考えているとのこと。中国の景気後退による原油需要の減少、それに加えて、カナダやブラジル、米国における原油生産量の増加などの影響で、OPECが生産量を維持しているにもかかわらず、今年7月から原油価格は低迷し続けている。
中国はOPECにとって最大規模の原油輸出先の一つである。このまま中国の景気後退が続けば、原油需要はさらに減少し、価格はさらに下落するだろう。一説には、60ドル台を試すとの意見もあり、原油価格の先行きは油断ならない状況にある。
ドルカナダテクニカル分析〜カナダの現況と今後の推移予測
上記の図(外為ドットコムより)はドルカナダの日足チャートである。
この図を見れば、ドルカナダは10月以降中期的な上昇トレンドに突入していることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、5日〜75日移動平均線全体として、綺麗な上昇トレンドのフォーメーションを形成している。75日移動平均線がサポートとしてしっかりと機能しており、一時的な反落はありながらも、順調に下値を切り上げている状況だ。
ファンダメンタルの観点では、トランプ大統領がカナダとメキシコに大幅な関税強化を導入するとの声明を出しており、原油価格などの低迷もあって、カナダドルが大きく上昇するにはカタリストが不足しているように思われる。
これらのことを踏まえれば、ドルカナダが短期間で下落トレンドに転換する可能性は想定しにくく、一時的な反落はあったとしても、トランプトレードによるドル高が続く限り、ドルカナダもさらにアップサイドがあると考えられる。
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