マーケットコメント:トランプ氏のEV支援策廃止へ!韓国企業へ圧力か?

2024年12月09日
本日は、トランプ次期大統領が方針の一つとして掲げているEV支援の廃止に関して、EVに積極的な投資を計画している韓国企業との関連性を含めて考察します。メインテーマは計画再考を迫られる韓国企業とエマージングマーケットの株価動向。


東西FXマーケットコメント – 2024年12月09日

文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム

東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。

本日は、トランプ次期大統領が方針の一つとして掲げているEV支援の廃止に関して、EVに積極的な投資を計画している韓国企業との関連性を含めて考察します。メインテーマは計画再考を迫られる韓国企業とエマージングマーケットの株価動向。

【12月9日】トランプ氏のEV支援策廃止へ!韓国企業へ圧力か?

12月9日、一部の韓国企業はトランプ次期大統領がEVへの支援策を廃止するとの方針を受けて、かねてより計画していたEVへの大規模投資の再考する必要がありそうだ。

トランプ大統領は大統領選挙時よりEVへの支援撤廃を訴えており、トランプ次期政権成立が確定したことで、この政策の実現可能性は飛躍的に高まっている。これを受けて、EV投資を推し進める幾つかの企業はこうした投資計画の見直しに迫られている。

一部の韓国企業もEV投資を積極的に推進する会社の一つであり、Bloombergによれば、540億ドルを米国におけるEVバッテリー工場建設に充てる予定があったとのこと。トランプ氏のEVに対する否定的な姿勢はこうした大規模なEV投資に歯止めをかける可能性がある。

実際に、米国企業のGMはカナダ・ケベック州における工場建設を遅らせると発表。このように、トランプ氏のEVに対する政策は韓国企業だけでなく、様々な国におけるEV産業に影響を及ぼすだろう。

一方で、トランプ氏が政府効率化省の代表に起用したイーロン・マスク氏のテスラもEVに積極投資する企業の一つである。こうした観点で、トランプ氏のEV支援廃止案がどこまで現実的になるのか要注目である。

エマージングマーケットテクニカル分析〜エマージングマーケットの現況と今後の推移予測

上記の図(Investing.comより)は、MSCIエマージングマーケットインデックスの日足チャートである。

この図を見れば、エマージングマーケットの株価は短期的には下落しながらも、長期的には大きな上昇トレンドの中にあると言える。

テクニカル分析の観点で言えば、直近の下落によって75日移動平均線はほぼ水平になりつつあり、25日移動平均線との間でデッドクロスが確認されている。一方で、MACDではゴールデンクロスが確認されており、RSIは中立となっている。

ファンダメンタルの観点では、エマージングマーケットの中でも中国は深刻な景気軟化に苦しんでいる状況な一方で、その他の国々は米国株価市場の割高性から、投資分散先の一つとして投資需要が増加する可能性がある。

これらのことを踏まえれば、直近の安値が前回に比べて切り上がっていることからなどからも、2025年以降もエマージングマーケットの株価は順当に上昇していくことが予測される。特に、現在の米国一強体制の持続性に対する懸念から、エマージングマーケットはリスク分散先として投資家から魅力的に捉えられる可能性があるだろう。


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