FX週刊ニュース(6月5週)|米ドル/円:24年ぶりの1ドル=136円!

2022年6月27日
FX週刊ニュース(6月5週)|米ドル/円:24年ぶりの1ドル=136円!

主な点:

  • 米ドル/円:24年ぶりの1ドル=136円。遂に140円台も目前か?
  • ユーロ/米ドル:ユーロ対ドルで上昇傾向か。ユーロの強さが今までより目立った1週間。
  • 英ポンド/米ドル:ポンド対ドルで2年ぶりの安値まで下落。続く英国の政治的混乱の経済への影響は?
  • 豪ドル/米ドル:好調なオーストラリア経済。不安要素は他国への輸出減少か?
  • ロシア産石油価格上限合意近々決定か?原油取引は横ばいの安定。
  •        
  • 円安に比例して値段の上がる金価格。有事の金買いが日本国内で上昇。

  • 米ドル/円:24年ぶりの1ドル=136円。遂に140円台も目前か?

週明けの20日から米ドル/円相場は荒れ模様。20日の東京外国為替市場は、より円の弱さとドルの強さが目立つこととなり、円相場は午前中から、一時、1ドル=135円台まで値下がりした。

先週、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が大幅な利上げを決める一方、日銀は今の大規模な金融緩和策の維持を決定したことで、日米の金融政策の方向性の違いが明確になったことが週明けから相場に大きな影響を与えた結果である。インフレ抑制のため利上げを急ぐアメリカと、金融緩和を続ける日本との間では態度が明確になった形だ。

翌日21日も相場は、アメリカと日本の金融政策の方向性の違いが引き続き意識され、1ドル=135円台を継続する形となった。22日の東京外国為替市場では遂に、1ドル=136円台と1998年10月以来、約24年ぶりの円安水準となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が7月も0.75%の利上げに動く公算が大きくなっていることが、金融緩和政策を維持する日本との金利差がさらに拡大するとの見方が強まり、円を売ってドルを買う動きが強まった。

結局今週はドル高円安相場の傾向は終始続き、週末の23日時点でのドル円も136円近辺で推移した。

市場関係者は「アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の高官が発言する機会が相次ぐが、今後の利上げのペースをめぐってどのような発言があるのか、関心が集まっている」と話しています。FRBの発言如何によっては遂に1ドル=140円の相場に突入することもありえない話ではない。

  • ユーロ/米ドル:ユーロ対ドルで上昇傾向か。ユーロの強さが今までより目立った1週間。

週明けの20日、ECBのラガルド総裁は講演し、7月に0.25%の利上げを実施し、中期的なインフレ見通し次第では9月により大きな利上げ幅が適切になるとの見解を改めて示した。加えて、欧州の主要株価指数の上昇で、運用リスクを過度に回避する姿勢が和らぎ、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり、20日ロンドン外国為替市場では、ユーロは対ドルで上昇し、1ユーロ=1.05ドル近辺と、前週末に比べてユーロ高・ドル安で推移した。

翌日21日も引き続き、ユーロ高・ドル安で推移。引き続き投資家の間では、欧州中央銀行(ECB)が積極的な金融引き締めを進めるとの見方が根強く、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1ユーロ=1.0560~70ドル相場であった。22日も引き続きユーロ買い・ドル売りが優勢。

23日には、6月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月から急低下し、天然ガスの供給不足への警戒感も強く、欧州経済の減速を懸念したユーロ売り・ドル買いがが続いた。加えて、ドイツ政府が、天然ガス不足で「非常警報」を発令したこともユーロ売り・ドル買いを促した。天然ガス先物価格が大幅に上昇しており、ドイツ経済が減速するリスクが高まったとの見方が原因である。最終日24日もユーロは対ドルで上昇。欧州株高を背景に市場参加者が運用リスクを取る姿勢を積極化し、ユーロ買い・ドル売りが優勢となっている。

今までと比べてユーロの強さが目立った1週間であり、来週も少しの間その傾向が続くのではないかと市場関係者は想定している。

  • 英ポンド/米ドル:ポンド対ドルで2年ぶりの安値まで下落。続く英国の政治的混乱の経済への影響は?

20日、英国の失業率が発表されて、2020年後半から4月までの3か月間で初めて上昇した。予想よりも失業率が高かったこともあり、ポンドは対ドルで2年ぶりの安値まで下落しました。22日には英5月消費者物価指数も発表。

前月比で0.7%増と伸びは限定的でしたが、依然として物価上昇の傾向が強くなっていることがデータとして明らかになった。

今回の結果を受けて、イングランド銀行による8月の利上げ幅を0.5%と見込む投資家も増え始めているほか、一部には0.75%になるのではとの期待も多くの市場関係者からでている。

物価上昇に経済が押しつぶされそうな状況下でのさらなる利上げは経済へのダメージが大きく、今後またポンドにとっては売り材料と捉えられやすいです。最終日の23日には英ポンド/米ドル1.22前後で平均し、来週も1.22-1.25前後で推移するのではないかと市場関係者は考えている。

また、アイルランド議定書を英国が一方的に書き換えることを可能性にする法案を巡るEUとの関係悪化や、スコットランドの独立を巡る動きなど政治的な混乱の芽もくすぶっていることも経済への影響に引き続き影響を与えそうだ。政治的混乱はポンドのネガティブ材料になる状況で、当分の間はポンドは少し弱くなりそうであると思われる。

  • 英ポンド/米ドル:ポンド対ドルで2年ぶりの安値まで下落。続く英国の政治的混乱の経済への影響は?

豪ドル/米ドル:好調なオーストラリア経済。不安要素は他国への輸出減少か?

今週もオーストラリアドルは安定傾向であった。豪ドル/米ドルは0.6900あたりで推移し、大きな上昇下落は見られなかった。豪ドルの政治的安定も経済へ良い影響を与えており、当分の間はオーストラリア国内で大きな問題は発生しなさそうだ。

唯一の懸念は世界経済の減速である。世界全体の後退懸念が資源国通貨である豪ドルの上値を抑える可能性が十分に考えられる。豪州国内の景気がいくら堅調な回復を見せていても、世界経済の減速によって資源需要が減退。ゆくゆくは豪州の輸出減に繋がり、豪経済に悪影響を与えるとの考え方からだ。

周知の通り、アメリカ、ヨーロッパ諸国をはじめとした。「主要国の金融引き締め方針」という金融政策の方向性の違いが世界経済に影響を与えてきており、長期目線で豪ドルにどのような影響を与えるかを専門家は懸念をしている。

  • ロシア産石油価格上限合意近々決定か?原油取引は横ばいの安定。
                             

ドイツ政府筋は25日、米国が提案しているロシア産石油の輸入価格への上限設定について、26日からの先進7カ国首脳会議(G7サミット)での合意に向けて「議論が順調に進んでいる」と明らかにした。

G7は5月にオンラインで行った首脳会議で、ロシア産石油の段階的禁輸で一致した。しかし米国は、禁輸措置が国際市場での石油価格押し上げ要因となり、制裁の効果が相殺されていることを問題視し、上限設定を提案していた。具体的な日程はまだ決まってはいないが、近々上限合意に至るのではないかと専門家は予測している。

また原油価格は24日、一時1バレルあたり1ドル近くも上昇。市場において、米国の経済活動の冷え込みによる需要鈍化の懸念と供給不安の均衡が取れたためであり、当分は横ばい傾向になりそうだ。

  • 円安に比例して値段の上がる金価格。有事の金買いが日本国内で上昇。
                             

円安が止まらない日本国内。22日の東京外国為替市場では遂に、1ドル=136円台と1998年10月以来、約24年ぶりの円安水準となった。円安傾向に比例して、価格の安定している金を購入しておきたいという思惑が日本国内全体で広まり、日本国内で菌への需要が高まっている。

専門店での金価格は8859円/gを記録し、歴代の中でもかなりの高額となっている。

この価格はロシアのウクライナ侵攻の影響で金や原油の需要急増により、2022年4月に記録した過去最高値8,860円/1gをあと1円で上回る記録的相場となっております。ドル安だけでなく、米FRBの大幅な利上げによる金融引き締めの影響も金需要に関係している。

今後140円台も有りうると言われているドル円相場、2022年内に更なる歴代最高値の更新はあるのでしょうか。注目が集まっています。

 
今週の経済指標カレンダー
時間 経済指標(イベント) 通貨 重要度
月曜日 – 2022年6月27日
15:00 小売売上高 (前月比) (5月) EUR
19:00 フランス合計求職者数 EUR
21:30 コア耐久財受注 (前月比) (5月) USD
21:30 耐久財受注 (前月比) (5月) USD
23:00 中古住宅販売保留 (前月比) (5月) USD
火曜日 – 2022年6月28日
03:30 ラガルドECB総裁 発言 EUR
04:00 ECBのシュナーベル氏発言 EUR
07:30 連邦公開市場委員会メンバーのウィリアムズ氏の発信 USD
15:00 GfK独消費者信頼感指数 (7月) EUR
16:30 MPC委員カンリフ氏の発信 GBP
17:00 ラガルドECB総裁 発言 EUR
17:30 ECBのレーン氏発言 EUR
18:30 欧州中銀エルダーソン氏発言 EUR
20:00 ECBのパネッタ氏発言 EUR
21:30 良好な貿易収支 (5月) USD
21:30 小売業在庫(自動車を除く) (5月) USD
22:00 S&P/ ケース・シラー住宅価格指数
(20都市) (前年比) (4月)
USD
23:00 消費者信頼感指数 (6月) USD
水曜日 – 2022年6月29日
05:30 米国石油協会 週間原油在庫 USD
08:50 小売業販売額 (前年比) (5月) JPY
10:30 小売売上高 (前月比) (5月) AUD
16:00 スペイン消費者物価指数 (前年比) EUR
16:00 スペインHICP (前年比) (6月) EUR
16:05 ドイツ連銀のブルクハルト・バルツ氏発言 EUR
16:45 欧州中銀(ECB)ルイス・デギンドス副総裁発言 EUR
17:45 欧州中銀(ECB)ルイス・デギンドス副総裁発言 EUR
19:15 ECBのシュナーベル氏発言 EUR
19:30 FOMCメンバー、メスター談話 USD
20:35 BOEベイリー総裁発言 GBP
21:00 消費者物価指数 (前月比) EUR
21:30 国内総生産 (前期比) (Q1) USD
21:30 GDP物価指数 (前期比) (Q1) USD
22:00 FRBパウエル議長発言 USD
22:00 ラガルドECB総裁 発言 EUR
22:30 BOEベイリー総裁発言 GBP
23:30 原油在庫量 USD
23:30 クッシング原油在庫 USD
木曜日 – 2022年6月30日
00:00 ラガルドECB総裁 発言 EUR
02:05 連邦公開市場委員会メンバー、ダドリー発言する USD
08:50 鉱工業生産 (前月比) (5月) JPY
10:00 企業景況感指数 (6月) NZD
10:30 民間部門信用 (前月比) (5月) AUD
10:30 中国総合PMI (6月) CNY
10:30 製造業PMI (6月) CNY
10:30 中国非製造業購買管理者指数 (6月) CNY
15:00 企業投資(四半期比) (前期比) (Q1) GBP
15:00 経常収支 (Q1) GBP
15:00 国内総生産 (前期比) (Q1) GBP
15:00 国内総生産 (前年比) (Q1) GBP
15:00 ネーションワイド住宅価格指数 (前月比) (6月) GBP
15:00 全国的住宅価格指数 (前年比) (6月) GBP
15:00 小売売上高 (前月比) (5月) EUR
15:30 小売売上高 (前年比) (5月) CHF
15:45 個人消費 (前月比) (5月) EUR
15:45 消費者物価指数 (前月比) EUR
15:45 フランスHICP (前月比) EUR
16:00 KOF先行指数 (6月) CHF
16:00 ECBのエンリア氏発言 EUR
16:55 失業率 (6月) EUR
16:55 独失業率 (6月) EUR
18:00 失業率 (5月) EUR
18:10 10年物イタリア国債入札 EUR
未定 OPEC会議 USD
21:00 消費者物価指数 (前月比) (6月) EUR
21:30 コアPCE物価指数 (前月比) (5月) USD
21:30 個人消費支出価格指数コア (前年比) (5月) USD
21:30 失業保険申請件数 USD
21:30 個人消費支出物価指数 (前年比) (5月) USD
21:30 個人消費支出価格指数 (前月比) (5月) USD
21:30 個人支出 (前月比) (5月) USD
21:30 国内総生産 (前月比) (4月) CAD
22:45 シカゴ購買部協会景気指数 (6月) USD
金曜日 – 2022年7月1日
1日中 カナダ – カナダの日祝日
07:30 AIG 製造業指数 (6月) AUD
07:45 建築許可件数 (前月比) (5月) NZD
08:30 仕事/求職率 (5月) JPY
08:30 東京都区部コア消費者物価指数(CPI) (前年比) (6月) JPY
08:30 東京都区部のコアコア消費者物価指数(CPI) (前月比) (6月) JPY
08:50 大企業全産業設備投資短観 (Q2) JPY
08:50 大企業製造業短観指数 (Q2) JPY
08:50 日銀短観大企業製造業業況判断 (Q2) JPY
08:50 日銀短観大企業非製造業業況判断 (Q2) JPY
10:45 Caixin(財新)製造業購買者担当者指数 (6月) CNY
15:00 ネーションワイド住宅価格指数 (前月比) GBP
15:00 全国的住宅価格指数 (前年比) GBP
16:15 製造業PMI (6月) EUR
16:30 procure.ch PMI (6月) CHF
16:45 イタリア製造業購買管理者指数 (6月) EUR
16:50 製造業購買担当者景気指数 (6月) EUR
16:55 製造業購買部協会景気指数 (6月) EUR
17:00 製造業購買担当者景気指数 (6月) EUR
17:30 製造業購買部協会景気指数 (6月) GBP
18:00 消費者物価指数 (前月比) (6月) EUR
18:00 コア指数 (前年比) EUR
18:00 消費者物価指数 (前年比) (6月) EUR
18:00 消費者物価指数 (前月比) EUR
22:45 製造業購買管理者指数 (6月) USD
23:00 ISM製造業雇用指数 (6月) USD
23:00 ISM製造業購買担当者景気指数 (6月) USD
土曜日 – 2022年7月2日
02:00 ベーカー・ヒューズ社のリグ・カウント USD
02:00 ベーカーヒューズ社発表の米石油採掘リグ稼働数 USD
04:30 米国商品先物取引委員会 英ポンド 投機的ネットポジション GBP
04:30 CFTC原油の投機的なネットポジション USD
04:30 米国商品先物取引委員会 金
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 Nasdaq 100
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 S&P500
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 豪ドル
投機的ネットポジション
AUD
04:30 米国商品先物取引委員会 円
投機的ネットポジション
JPY
04:30 米国商品先物取引委員会 ユーロ
投機的ネットポジション
EUR


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