FX週刊ニュース(7月1週)|米ドル/円:1ドル=137円まで値下がり。円安ドル高が一段と加速か。

2022年7月04日
FX週刊ニュース(7月1週)|米ドル/円:1ドル=137円まで値下がり。円安ドル高が一段と加速か。

主な点:

  • 米ドル/円:1ドル=137円まで値下がり。円安ドル高が一段と加速か。
  •  
  • ユーロ/米ドル:ユーロ圏のインフレ率は過去最高値を更新。ECBは大幅利上げを実施するか?
  • 英ポンド/米ドル:イングランド銀行が積極的な金融引き締めか。ポンド売りの相場、ドル買いの相場。
  • 豪ドル/米ドル:ウクライナ問題でオーストラリアドルは売られ傾向。資源情勢の影響を受けるオーストラリアドル。
  • アメリカ戦略石油備蓄690万バレル減。ロシアへの経済制裁は石油価格の上昇につながるか。
  •           
  • G7がロシア産金地金輸入禁止を発表。金価格は若干上昇傾向。

  • 米ドル/円:1ドル=137円まで値下がり。円安ドル高が一段と加速か。

週明けの27日、米国の物価上昇が鈍化する中、米ドル/円の伸びも緩やかであいかわらず135円台のスタート。終値は135.46円と前営業日NY終値(135.23円)と比べて23銭程度のドル高水準だった。欧州株の上昇も相変わらず続き、円売り・ドル買いが先行。21時過ぎには一時135.5円台を更新した。

米10年債利回りが3.14%台まで上昇幅を縮め、米2年債入札と米5年債入札も低調な結果に終わったことで米10年債利回りが3.21%台まで上昇。全般ドル買いで反応したものと思われる。28日には、日本とアメリカの金利差が拡大するとの予想が投資家の間で広まったことで円相場は一時、135円台を突破し、1ドル=136円台前半まで値下がりした。

29日は円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場は一時およそ24年ぶりに1ドル=137円台まで値下がりした。急速な金融引き締めによって日米の金利差が拡大するとの見方を背景により利回りが見込めるドルが買われたためで、円安ドル高が一段と加速した。1ドル=137円台をつけるのは1998年9月以来およそ24年ぶりです。急激な円安の背景には、アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会がフォーラムでインフレの抑制優先を示したことから、急速な金融引き締めによって日米の金利差が拡大するとの見方が強まったことがある。

その後は徐々に、アメリカの景気減速への懸念から徐々に円を買う動きが見られるようになり、週末の1日は最終的に134円台まで値上がりしたが一時的なものであり、最終的に135円台で取引を終えた。市場関係者は「FRBは来月の金融政策を決める会合でも大幅な利上げを行うと見込まれ、アメリカの金利が高止まりする中、円安がどこまで進むのかは以前から不透明である」と話している。


  • ユーロ/米ドル:ユーロ圏のインフレ率は過去最高値を更新。ECBは大幅利上げを実施するか?

週明けの27日、市場は滑らかな動きからスタート。ユーロ円は1ユーロ=142円07銭前後と大幅なユーロ高・円安で推移した。

中国の新型コロナウイルス対策の規制緩和を受けて世界的に投資家心理を改善させ、資源株の上昇もユーロ相場に週明けから影響を与えた。

その後は大きな相場の動きはなくマーケットは比較的安定状態。そして週末の7月1日は今週、欧州連合(EU)統計局が重要経済指標の一つである、ユーロ圏消費者物価指数(CPI)上昇率を発表した。

6月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比8.6%と、5月の8.1%から加速した。ブルームバーグが調査したエコノミストらは8.5%を見込んでいたため若干予測より高い値となり、ユーロドルは1.04台後半で相場を終えた。国別では、ドイツが8.2%、フランスが6.5%となり、スペインは、10.0%とふた桁の伸び率となりました。

ユーロ圏の消費者物価指数が、ヨーロッパ中央銀行が目標とする2%を上回るのは、去年7月から12か月連続となり、記録的なインフレの影響が家計や企業活動に一段と広がっているものと思われる。

ヨーロッパ中央銀行は、今月21日の理事会で、0.25%の金利の引き上げに踏み切る見通しで、ことし9月にも追加で利上げする可能性を示しており、実際値上げが行われるかどうかはユーロの経済にとって大きな影響を与えそうだ。


  • 英ポンド/米ドル:イングランド銀行が積極的な金融引き締めか。ポンド売りの相場、ドル買いの相場。

週明けの27日からポンドは若干重い動き。イングランド銀行の次回8月会合で0.50%の利上げ観測が高まっているが、米連邦準備理事会(FRB)では7月会合で0.75%の利上げ思惑が浮上したことが背景にあるものと思われる。

その後は若干ポンド安の傾向が続き、29日にはロンドン外国為替市場でポンドは対ドルで下落。

また重要経済指標の一つである、ドイツの消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回った。インフレ加速が一服するとの観測から欧州債利回りが低下しており、欧米金利差の拡大を意識したポンド売り・ドル買いが優勢となり、英国時間16時時で1ポンド=1.2120~30ドルと前日の同時点に比べ0.0070ドルのポンド安・ドル高で推移した。

結局そのまま週末の7月1日まで投資家の間で、イングランド銀行(英中央銀行)が積極的な金融引き締めを進めるとの見方が後退し、ポンド売り・ドル買いが優勢となり取引を終えた。

金融政策委員会(MPC)は「ポンド安がインフレ圧力を高めているため、これまでより速く利上げを行うべき」との見解を示している。


  • 豪ドル/米ドル:ウクライナ問題でオーストラリアドルは売られ傾向。資源情勢の影響を受けるオーストラリアドル。

週明けの27日、オーストラリアドルは米ドルに対して0.692台でスタート。相場は0.6923~0.6926と比較的安定した相場で取引を終えた。

29日には、豪ドルやカナダドルなど資源国通貨が積極的に売られ、豪ドル米ドルは平均して0.7472台の相場となった。

原油安は、ウクライナとロシアの停戦協議に進展があったことが背景で、その影響が豪ドルにも影響を与えたものと思われる。30日もオーストラリアドルは中国の鉄鉱石価格の下落に対して影響を受け若干の下落。

中国での鉄鉱石価格の急激な下落は、オーストラリアドルにとって懸念される逆風ではあるが、過去24時間で5%近く下落したことを考えると、価格は控えめな反応しか示差なかったものと思われる。

他の通貨に比べて安定を示しているオーストラリアドルだが唯一の懸念はやはり資源の問題が直接オーストラリア経済に影響を与えることであり、今後の世界の資源状況がオーストラリアドルに引き続き影響を与えていきそうだ。


  • アメリカ戦略石油備蓄690万バレル減。ロシアへの経済制裁は石油価格の上昇につながるか。

27日、米エネルギー省の発表によると、米国の戦略石油備蓄が24日までの1週間で690万バレルも減少して4億9790万バレルとなり、1986年4月以降で最低の水準になった。世界の石油情勢が不安定な中、米国の石油戦略も大きなずれが見られ当初のエネルギー省の戦略よりだいぶズレが発生しているものと専門家は考えている。この週の放出量は軽質油が約100万バレル、重質油が約600万バレルだった。

また、今週石油相場に大きな影響を与えるJPモルガン・チェースのアナリストは原油相場は、欧米による制裁がロシアの報復的な生産削減につながれば、1バレル当たり380ドルという「成層圏」に達しかねないと警告した。

主要7カ国(G7)は、プーチン政権がウクライナ侵攻の戦費に充てる収入の流れを減らすためロシア産原油の価格に上限を設ける方法の検討を進めている。ただ、ロシアの強固な財政状況を踏まえると、自国経済に過度に打撃を与えることなく日量500万バレルの生産削減は可能だろうと、ナターシャ・カネバ氏を含むJPモルガンのアナリストらは顧客向けリポートで指摘した。これは世界の多くの他の国・地域にとっては大きな影響を与えることは必須であり、日本経済にも大きな影響を与えそうだ。


                            
  • G7がロシア産金地金輸入禁止を発表。金価格は若干上昇傾向。

週明けの27日から、金相場の値段は上昇傾向から始まったものの最終的には、5月中旬以来の低値となる値まで下落することなった。

これは、G7の4カ国の首脳が、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁強化の一環として、ロシア産金地金の輸入を禁止する計画を発表したことが影響を与えたことが原因である。

欧州連合(EU)は、ロシア産金地金輸入禁止に対し若干保守的な姿勢を示し、またロシア産原油輸入の禁止による地域内経済への影響への懸念を表明しており、欧州連合による制裁は今年末まで延期され、天然ガスの輸入は継続される事となっていたことも影響したのではないか思われる。

金現物価格は、トロイオンスあたり1841ドルとなり、この値は5月14日以来の低い値となりましたがその後は最終的に再び金価格は上昇傾向に戻り、相場は安定した状態で先週は取引を終えた。

今週の経済指標カレンダー
時間 経済指標(イベント) 通貨 重要度
月曜日 – 2022年7月4日
1日中 アメリカ – 独立記念日 祝日
10:30 建築許可件数 (前月比) (5月) AUD
10:30 住宅ローン (前月比) AUD
15:00 貿易収支 (5月) EUR
15:30 消費者物価指数 (前月比) (6月) CHF
16:00 スペイン失業変化 EUR
19:45 ドイツ連銀のブルクハルト・バルツ氏発言 EUR
未定 10年物スペイン国債入札 EUR
21:00 ドイツ連銀総裁ナーゲル氏発言 EUR
23:30 カナダ銀行企業景況感調査 CAD
23:30 欧州中銀エルダーソン氏発言 EUR
火曜日 – 2022年7月5日
00:00 ドイツBubaマウデラー氏発言 EUR
00:00 ドイツBuba副総裁ブーフ氏発言 EUR
00:00 欧州中銀(ECB)ルイス・デギンドス副総裁発言 EUR
07:00 NZIER企業景況感 (Q2) NZD
09:30 Nikkeiサービス業PMI (6月) JPY
10:30 小売売上高 (前月比) AUD
10:45 中国Caixin(財新)サービス業PMI (6月) CNY
12:35 10年物日本国債入札 JPY
13:30 政策金利発表 (7月) AUD
13:30 RBA政策金利声明 AUD
16:15 サービス業PMI (6月) EUR
16:45 イタリアサービス業購買管理者指数 (6月) EUR
16:50 サービス業購買担当者景気指数 (6月) EUR
16:55 サービス業購買部協会景気指数 (6月) EUR
17:00 マーケット総合PMI (6月) EUR
17:00 サービス業購買部協会景気指数 (6月) EUR
17:30 総合PMI (6月) GBP
17:30 サービス業購買部協会景気指数 (6月) GBP
18:30 BoE金融安定性報告書 GBP
19:00 BOEベイリー総裁発言 GBP
21:30 建築許可件数 (前月比) (5月) CAD
23:00 製造業新規受注 (前月比) (5月) USD
水曜日 – 2022年7月6日
00:00 世界乳製品取引価格指数 NZD
01:00 ドイツ連銀のブルクハルト・バルツ氏発言 EUR
01:30 BoE 金融政策委員会テンレイロ委員発言 GBP
15:00 製造業新規受注 (前月比) (5月) EUR
16:00 欧州中央銀行非金融政策会合 EUR
16:30 IHS マークイット 建設業購買部協会景気指数 (6月) EUR
17:10 BoEのMPCピル委員発言 GBP
17:30 建設業購買担当者景気指数 (6月) GBP
18:00 EU 経済見通し EUR
18:00 小売売上高 (前月比) (5月) EUR
18:30 10年物独国債入札 EUR
21:30 MPC委員カンリフ氏の発信 GBP
22:00 連邦公開市場委員会メンバーの
ウィリアムズ氏の発信
USD
22:45 マーケット総合PMI (6月) USD
22:45 サービス業購買部協会景気指数 (6月) USD
23:00 ISM非製造業雇用指数 (6月) USD
23:00 ISM非製造業指数 (6月) USD
23:00 JOLT求職 (5月) USD
木曜日 – 2022年7月7日
03:00 FOMC議事要旨 USD
05:30 米国石油協会 週間原油在庫 USD
10:30 貿易収支 (5月) AUD
14:45 季節調整なし失業率 (6月) CHF
14:45 季節調整済み失業率 (6月) CHF
15:00 Halifax住宅価格指数 (前月比) (6月) GBP
15:00 ハリファックス社価格指数 (前年比) GBP
15:00 鉱工業生産 (前月比) (5月) EUR
16:00 ECBのエンリア氏発言 EUR
16:45 ECBマッコール氏発言 EUR
17:30 労働生産性 GBP
18:30 ECBの監査役会メンバーJochnick氏発言 EUR
18:45 ECBのレーン氏発言 EUR
20:30 ECBは、金融政策の会議のアカウントを発行した。 EUR
21:30 輸出 USD
21:30 輸入 USD
21:30 失業保険申請件数 USD
21:30 貿易収支 (5月) USD
21:30 貿易収支 (5月) CAD
22:00 イングランド銀行金融政策委員会委員マン委員発言 GBP
23:00 Ivey購買部協会指数 (6月) CAD
金曜日 – 2022年7月8日
00:00 原油在庫量 USD
00:00 クッシング原油在庫 USD
01:05 BoEのMPCピル委員発言 GBP
02:00 FRBウォラー氏発言 USD
02:00 連邦公開市場委員会メンバー、ダドリー発言する USD
02:30 ドイツ連銀総裁ナーゲル氏発言 EUR
08:30 家計調査・消費支出 (前年比) (5月) JPY
08:30 消費支出 (前月比) (5月) JPY
08:50 季節調節済み経常収支 JPY
08:50 経常収支(季節調整なし) (5月) JPY
15:00 イングランド銀行ウッズ副総裁発言 GBP
20:55 ラガルドECB総裁 発言 EUR
21:30 平均時給 (前月比) (6月) USD
21:30 平均時給(前年比) (前年比) (6月) USD
21:30 非農業部門雇用者数 (6月) USD
21:30 行動者率 (6月) USD
21:30 非農業部門民間雇用者数 (6月) USD
21:30 失業率 (6月) USD
21:30 雇用者数 (6月) CAD
21:30 失業率 (6月) CAD
土曜日 – 2022年7月9日
00:00 連邦公開市場委員会メンバーの
ウィリアムズ氏の発信
USD
02:00 ベーカー・ヒューズ社のリグ・カウント USD
02:00 ベーカーヒューズ社発表の米石油採掘リグ稼働数 USD
04:30 米国商品先物取引委員会 英ポンド
投機的ネットポジション
GBP
04:30 CFTC原油の投機的なネットポジション USD
04:30 米国商品先物取引委員会 金
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 Nasdaq 100
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 S&P500
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 豪ドル
投機的ネットポジション
AUD
04:30 米国商品先物取引委員会 円
投機的ネットポジション
JPY
04:30 米国商品先物取引委員会 ユーロ
投機的ネットポジション
EUR
10:30 消費者物価指数 (前月比) (6月) CNY
10:30 消費者物価指数 (前年比) (6月) CNY
10:30 生産者物価指数 (前年比) (6月) CNY
17:50 ドイツBubaマウデラー氏発言 EUR


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