FX週刊ニュース(8月3週)|米ドル/円:1ドル132円前後を記録した東京外国為替市場。当分の間はドルは売りづらいか? 

2022年8月15日
FX週刊ニュース(8月3週)|米ドル/円:1ドル132円前後を記録した東京外国為替市場。当分の間はドルは売りづらいか? 

東西FX週刊ニュース – 2022年8月15日

高田 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ドル/円:1ドル132円前後を記録した東京外国為替市場。当分の間はドルは売りづらいか?
  •  
  • ユーロ/米ドル:7月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が発表。ユーロ買い・ドル売りが優勢となった1週間。
  • 英ポンド/米ドル:連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速を織り込む。ポンド・ドルは1.2249ドルまで上昇。
  • 豪ドル/米ドル:好調なオーストラリア経済。オーストラリアの失業率は過去最低水準を記録。
  • 日本国内のエネルギー高騰が止まらない。日本国内の家庭を今後さらに圧迫か?
  •        
  • 金需要が減少傾向。長く続くドル高が影響か?

  • 米ドル/円:1ドル132円前後を記録した東京外国為替市場。当分の間はドルは売りづらいか?

週明け8日、東京外国為替市場の 米ドル/円相場は、1ドル=135円台前半で取引された。

先週末に発表された、米雇用統計の内容が市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを加速するとの予想が市場で広まり、日米の金利差拡大を意識したドル買いが週明けに影響した形である。専門家の間では、利上げは間違いないとの意見が優勢であり、しかも今回は今まで以上に大きな利上げをするのではないかとの意見も多く出ており、利上げが進むと再び強いドル高円安傾向に進む可能性も十分にありうる。翌日9日、日経平均株価は5営業日ぶりに反落し、最終的には前日比249円28銭(0.88%)安の2万7999円96銭で終えた。

東京外国為替市場の米ドル/円は引き続き、1ドル=135円付近でスタートしたが、日経平均株価の下落もあって午前中投資家はリスク回避をしドル売り・円買いが先行した。午後には135円から134円近辺まで1円近く下落した。その後、日経平均株価も落ち着いたことで、再び1ドル135円付近まで戻り取引を終えた。

10日には米消費者物価上昇率が発表、予想を下回ったことで135円から一時、1ドル132円前後になり、3円近い急落となった。11日午前には133.31円まで買い戻されたものの、11日発表された米生産者物価指数も予想を下回ったことで発表直後に131.72円になった。その後は前夜に急落した事での反応として一時的なものに留まり、米10年債利回りの上昇を見て12日早朝には133円前後まで持ち直し最終的な取引を終えた。

専門家の間では、アメリカのインフレはある程度終わったのではないかとの意見もおおく、9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では追加利上げが決定されるとの見方が多いようだ。ただし、他の主要中央銀行は金融引き締めのペースをやや緩める可能性があるため、当分の間はドルは売りづらい状態が続くとみられる。

  • ユーロ/米ドル:7月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が発表。ユーロ買い・ドル売りが優勢となった1週間。

週明け、8日のロンドン外国為替市場でユーロは対ドルで上昇傾向。夕方には一時、1ユーロ=1.0210ドル前後とユーロ高・ドル安で推移した。欧州の主要株価指数の上昇で、投資家が運用リスクを取りやすくなり、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。7月の米雇用統計は市場予想を大幅に上回り、ユーロ売り・ドル買いが進んでいたため、持ち高調整のユーロ買い・ドル売りも入りやすかったものと思われる。

9日のロンドン外国為替市場もユーロは対ドルで上昇した。1ユーロ=1.1040ドル前後と前日より若干のユーロ高・ドル安で推移している。欧州の主要株価指数が大幅高となり、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退したことや原油など商品価格の急上昇落ち着いたこともあり、ユーロ圏経済に対する悪影響への懸念を和らげ、ユーロ買い・ドル売りを進めやすくした。

10日には7月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が発表。上昇率が市場予想を下回ったこともあり、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めペースの鈍化が意識され、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。11日には、米国の7月生産者物価指数(PPI)が前月比でパンデミックによる経済封鎖直後の2020年4月以降のマイナスとなり、消費者物価指数(CPI)に続きインフレ圧力の弱まりを示す結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速を織り込むドル売りが一時強まった。同時に、FRB高官は、インフレ指標の改善も利上げ計画を維持するべきと主張したため追加利上げを織り込み長期金利が上昇したためドル買いが再燃し一時、1.0315ドルまで反落した。

  • 英ポンド/米ドル:連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速を織り込む。ポンド・ドルは1.2249ドルまで上昇。

週明けの8日、ロンドン市場では主要な経済指標発表や金融当局者らの講演予定などは見られず、水曜日の米消費者物価指数の発表待ちとなり比較的落ち着いた相場であった。

特に市場を動かすような問題はない中で、先週末の強い米雇用統計結果を受けたドル買いの動きに調整が入る格好となった。また、8月第2週に入って、バケーションをとっていることも動意薄につながっているようだ。ポンドドルは売買が交錯したが、ややドル売りの動きでポンドドルは1.21を挟んで振幅も底堅く推移して取引を終えた。9日の英ポンド/米ドル相場は、良好な米7月雇用統計を受けて一時7月26日以来の水準である1.2004ドル前後まで下落した。
専門家の間ではドルの先高観が薄れたと見られ、ポンドには下値拾いの買いが入ったものと思われる。

11日には、米国の7月生産者物価指数(PPI)が前月比でパンデミックによる経済封鎖直後の2020年4月以降のマイナスとなり、消費者物価指数(CPI)に続きインフレ圧力の弱まりを示す結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速を織り込むドル売りが一時強まった。同時に、FRB高官は、インフレ指標の改善も利上げ計画を維持するべきと主張したため追加利上げを織り込み長期金利が上昇したためドル買いが再燃。ポンド・ドルは1.2249ドルまで上昇した。

  • 豪ドル/米ドル:好調なオーストラリア経済。オーストラリアの失業率は過去最低水準を記録。

今週1週間、オーストラリア・ドルは、1豪ドル=0.7ドル前後で安定した取引水準を見せた。現在オーストラリア経済については非常に好調であり、非常に底堅く、この状況は当分の間続きそうで、引き続き非常に堅調な経済活動が続きそうである。

具体的にはオーストラリアの失業率は過去最低水準にあり、賃金上昇圧力は高まっている。また貿易収支は引き続き過去最高を更新し続け、外貨獲得が増え、実需の外貨売り、豪ドル買いが増えている。そう言った中で、国内の賃金上昇圧力や、グローバルなインフレ圧力の高まりから、徐々にオーストラリアもインフレ対策に迫られている状況である。

直近のRBA金融政策決定会合においては0.50%の利上げが実施され政策金利が1.85%まで引き上げられた。ですが、同報告において、2022年末の消費者物価指数の見通しが7.75%と高いことが確認され、RBAが更なる利上げに迫られていることが判明した。

これまで米ドルの利上げが豪ドルよりも先行していたこともあって、豪ドルに対しても米ドル高が進んでいました。また米株が軟調に推移する中で、リスク資産としてのイメージが強い豪ドルも対米ドルでは軟調な推移が続いていた。このような相場の流れの中で、将来についても米ドルに対しては豪ドルが弱含むと見る向きも多く、豪ドルの価値は今後さらに高くなると思われる。

  • 日本国内のエネルギー高騰が止まらない。日本国内の家庭を今後さらに圧迫か?

エネルギーの高騰が止まらない。大手電力会社は、新電力の撤退などで契約先を失った企業に対し受け皿として電気を供給する「最終保障供給」制度の料金を来月から値上げすることを発表した。最終保障供給制度は、電力会社との契約を失った企業に対し、大手電力が受け皿として標準メニューの1.2倍の料金で電気を供給する仕組みであったが、ウクライナ情勢などの影響でコストが上昇し、「最終保障供給」の方が安く電気を調達できる逆転現象が起きていた中の発表である。

こうした中、東京電力など大手電力9社は、来月から市場価格を反映した料金を請求することにし、大幅な値上げは避けられないものと思われる。経産省によりますと、エネルギー価格高騰で経営が悪化した新電力の撤退が相次いでおり、「最終保障供給」の契約数は、前の年の同じ月と比べ65倍にまで増加している。

                         
  • 金需要が減少傾向。長く続くドル高が影響か?

金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が発表した第2・四半期の世界の金需要は現在前年同期比8%減の948トンである。

安全資産とされる金はロシアのウクライナ侵攻開始やインフレ高進を受けて今年序盤に需要が急増したが、主要中央銀行が相次ぎ利上げを実施したことから債券利回りが上昇し、金利の付かない金の魅力が薄れた。さらに、ドルの上昇でドル建ての金価格が他通貨で購入する際に割高になった。金価格連動型の上場投資信託(ETF)は同期に38.8トンの金を市場で売却した。金価格の下落を受けた。WGCは安全資産への需要が今後も金投資を支える可能性が高いが、さらなる金融引き締めやドル高の継続が問題であることを指摘し、景気の減速や生活コストの高騰が宝飾品、金塊、コインの購入を阻害すると予想している。

今週の経済指標カレンダー
時間 経済指標(イベント) 通貨 重要度
月曜日 – 2022年8月15日
07:30 製造業購買担当者景気指数 NZD
08:50 国内総生産 (前年比) (Q2) JPY
08:50 国内総生産 (前期比) (Q2) JPY
11:00 固定資産投資 (前年比) (7月) CNY
11:00 鉱工業生産 (前年比) (7月) CNY
11:00 中国鉱工業生産 (前年比) (7月) CNY
11:00 失業率 CNY
11:00 統計局記者会見 CNY
13:30 鉱工業生産 (前月比) (6月) JPY
15:30 生産者物価指数 (前月比) (7月) CHF
21:30 ニューヨーク連銀製造業景気指数 (8月) USD
21:30 製造業売上高 (前月比) (6月) CAD
21:30 卸売売上高 (前月比) (6月) CAD
火曜日 – 2022年8月16日
05:00 ネット長期TICフロー (6月) USD
10:30 金融政策委員会議事要旨 AUD
13:30 第三次産業活動指数 (前月比) JPY
15:00 平均賃金(含ボーナス) (6月) GBP
15:00 失業保険申請件数 (7月) GBP
15:00 雇用者数(対前3ヶ月) (前月比) (6月) GBP
15:00 労働生産性 GBP
15:00 失業率 (6月) GBP
18:00 現在のドイツZEWの状況 (8月) EUR
18:00 ZEW景気期待指数 (8月) EUR
18:00 貿易収支 (6月) EUR
18:00 ZEW景況感指数 (8月) EUR
21:15 住宅着工件数 (7月) CAD
21:30 建築許可件数 (7月) USD
21:30 建築許可 (前月比) (7月) USD
21:30 住宅着工、変化 (前月比) (7月) USD
21:30 住宅着工件数 (7月) USD
21:30 コアCPI (前月比) (7月) CAD
21:30 消費者価格指数コア (前年比) (7月) CAD
21:30 消費者物価指数 (前月比) (7月) CAD
21:30 対外証券投資 (6月) CAD
22:15 鉱工業生産 (前月比) (7月) USD
22:15 鉱工業生産 (前年比) (7月) USD
水曜日 – 2022年8月17日
00:00 世界乳製品取引価格指数 NZD
05:30 米国石油協会 週間原油在庫 USD
07:45 生産者物価指数(原材料価格) (前期比) (Q2) NZD
08:50 季節調節済み貿易収支 JPY
08:50 輸出 (前年比) (7月) JPY
08:50 貿易収支 (7月) JPY
10:30 労働賃金指数 (前期比) (Q2) AUD
11:00 政策金利発表 NZD
12:00 RBNZ記者会見 NZD
15:00 消費者物価指数 (前月比) (7月) GBP
15:00 消費者物価指数 (前年比) (7月) GBP
15:00 生産者物価指数(原材料価格) (前月比) (7月) GBP
18:00 国内総生産 (前期比) (Q2) EUR
18:00 国内総生産 (前年比) (Q2) EUR
21:30 コア小売売上高 (前月比) (7月) USD
21:30 小売売上高 (前月比) (7月) USD
22:30 連邦公開市場委員会メンバー、ボウマン氏発言 USD
23:00 企業在庫(前月比) (前月比) (6月) USD
23:00 小売業在庫(自動車を除く) (6月) USD
23:30 原油在庫量 USD
23:30 クッシング原油在庫 USD
木曜日 – 2022年8月18日
02:00 20年物長期米国債入札 USD
03:00 FOMC議事要旨 USD
03:20 連邦公開市場委員会メンバー、ボウマン氏発言 USD
10:30 雇用者数 (7月) AUD
10:30 フルタイム雇用変更 (7月) AUD
10:30 失業率 (7月) AUD
18:00 コア指数 (前年比) (7月) EUR
18:00 消費者物価指数 (前月比) (7月) EUR
18:00 消費者物価指数 (前年比) (7月) EUR
21:30 失業保険申請件数 USD
21:30 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 (8月) USD
21:30 フィリー連銀雇用 (8月) USD
21:30 原材料価格指数 (前月比) (7月) CAD
23:00 中古住宅販売 (前月比) (7月) USD
23:00 中古住宅販売戸数 (7月) USD
金曜日 – 2022年8月19日
02:15 ECBのシュナーベル氏発言 EUR
02:20 FOMCメンバー ジョージ 談話 USD
07:45 貿易収支 (前年比) (7月) NZD
07:45 貿易収支 (前月比) (7月) NZD
08:30 全国コアCPI (前年比) (7月) JPY
08:50 全国消費者物価指数 (前月比) JPY
15:00 小売売上高コア(前月比) (前年比) (7月) GBP
15:00 小売売上高コア(前年比) (前月比) (7月) GBP
15:00 小売売上高(前月比) (前年比) (7月) GBP
15:00 小売売上高(前年比) (前月比) (7月) GBP
15:00 生産者物価指数 (前月比) (7月) EUR
21:30 コア小売売上高 (前月比) (6月) CAD
21:30 小売売上高 (前月比) (6月) CAD
土曜日 – 2022年8月20日
04:30 米国商品先物取引委員会 英ポンド
投機的ネットポジション
GBP
04:30 CFTC原油の投機的なネットポジション USD
04:30 米国商品先物取引委員会 金
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 Nasdaq 100
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 S&P500
投機的ネットポジション
USD
04:30 米国商品先物取引委員会 豪ドル
投機的ネットポジション
AUD
04:30 米国商品先物取引委員会 円
投機的ネットポジション
JPY
04:30 米国商品先物取引委員会 ユーロ
投機的ネットポジション
EUR


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