トリシェ
「トリシェ」または「ジャン・クロード トリシェ(Jean-Claude Trichet)は、第2代欧州中央銀行(ECB)総裁です。
歴史:1964年民間の経済分析会社、パリ大学の数学教師を務めながら、パリ政治学院とパリ大学で経済学を学ぶ。兵役を経て、’69年フランスの官僚養成機関、国立行政学院(ENA)に合格。1971年フランス財務省に入り、78年からジスカール・デスタン大統領補佐官(経済顧問)、大統領府産業・エネルギー・研究開発担当補佐官、1985年主要債権国会議(パリクラブ)議長などを経て、1986年財務省官房長、1987〜1993年同省国庫局長(次官)。
EC通貨評議会議長としても欧州通貨制度(EMS)の混乱処理に当たった。1993年9月フランス銀行(中央銀行)総裁に就任、国際決済銀行(BIS)理事兼任。1998年欧州中央銀行(ECB)が設立されると理事となり、1999年のユーロ導入に尽力。2003年11月第2代総裁に就任。就任後、2007年米国のサブプライムローン問題、2008年米リーマン・ブラザーズの破綻(リーマンショック)、2010年からのユーロ圏の債務危機と、3度の金融危機に見舞われた。2011年4月欧州金融危機後、初の利上げを決行、またギリシャ・イタリア・スペインの国債買入れを決定した。同年10月任期満了で退任。2012年より経済政策を提言するシンクタンク、ブリューゲル会長を務める。