含み益(英:Unrealized gain)とは


「含み益(英:Unrealized gain)」または「実現していない利益」、「潜在的な利益」とは、保有する投資から生じる潜在的な利益です。保有する金融商品の価格が買った時よりも値段が高くなり、もし売却すれば利益が出る状態を「含み益」と言います。

実際に建玉(ポジション)を決済して利益になった場合を利益が実現します。これは「実現益」という。逆に保有する金融商品の価格が買った時よりも値段が値下がり、もし売却すれば損失が出る状態を「含み損」と言います。


主なポイント:

  • • 含み益とは、現金で決済されていない投資から生じる潜在的な利益です。
  • • 含み益または未実現利益は、証券の種類に応じて異なる方法で財務諸表に記録されます。
  • • 投資が売却され、実現利益が認識されるまで、利益は課税対象にはなりません。


含み益の仕組み

含み益は、保有する有価証券の現在価格が、仲介手数料を値引いた後、買った時よりも値段が高い場合に発生します。多くの投資家は、未実現損益に基づいて投資ポートフォリオの現在価値を計算します。一般に、キャピタルゲインは売却して実現した利益に対してのみに課税されますので、含み益(評価益)には課税されません。

含み益が手元にある場合、それは通常、投資家が勝ち組み銘柄を保有し続けることで、さらなる利益を得ることができると信じることを意味します。そうでなければ、投資家は今売って、現在の利益を実現するでしょう。さらに、投資を長期間保有し続けることにより、利益の税負担が軽減されるため、含み益が発生することもあります。

たとえば、投資家が1年以上株式を保有している場合、その税率は長期キャピタルゲインの税率まで引き下げられます。さらに、投資家がキャピタルゲイン課税の税負担を別の税年度に移したい場合、今年に売るのではなく、翌年1月に株を売ることができます。


含み益の記録

含み益は、証券の種類によって異なる方法で記録されます。満期保有目的証券は財務諸表に記録されませんが、会社は財務諸表の脚注に開示を含めることを決定する場合があります。取引することを目的として保有している有価証券は、公正価値で貸借対照表に記録され、含み益と含み損は損益計算書に記録されます。

したがって、売買目的有価証券の公正価値の増減は、会社の純利益および1株当たり利益(EPS)に影響を与えます。売却可能有価証券は、公正価値で資産として会社の貸借対照表にも記録されます。ただし、含み益・含み損は、貸借対照表の包括利益計算書に計上されます。


含み益の例

投資家がA社の株式100株を1株あたり1,000円で購入し、その後株式の公正価値が1株あたり1,200円に上昇した場合、まだ保有している株式の含み益は20,000円(1株あたり200円 x 100株)。最終的に取引価格が1,400円の時に投資家が株式を売却した場合、40,000円(1株当たり400円 x 100株)の実現利益が得られます。