ここまでは、FXの基本的な概念、異なる取引注文の種類、および取引リスクを最小限に抑えるための様々な手段を学んできました。しかし、さらに為替相場を分析するために、外国為替の変動要因を理解する必要があります。
外為相場の動きに影響を与える要因は、主に二つあります。一つめの要因は、ファンダメンタル要因であり、二つめの要因は、テクニカル要因です。トレーダーとして成功するために、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の両方を極めることは非常に重要なこととなってきます。
外国為替市場においてファンダメンタル分析とは、取引可能な金融商品の需給に影響を与える要因、つまり世界経済、社会および政治勢力を分析することによって外国為替市場を見ることを指します。言い換えれば、各国の経済状況を判断する要因となります。
例えば、ある国の現在または将来の経済見通しが良好である場合、外国企業や投資家がその国に多く投資金を注ぐことで通貨価値が上がるといった考えです。なぜなら、資産を購入するためには、その国の通貨を使用する必要があります。そのため、現地通貨の需要が増加すれば結果として国内通貨の価値が上昇していきます。
FXトレーダーにとって、ファンダメンタル要因とは、金利や中央銀行の政策、経済指標および自然災害にいたる、すべての市場を左右する要因を指します。ファンダメンタル要因とは、すでに計画されている政策など以外にも、予想外の事態などのその他多数の要因が組み合わさってきます。そこで、国の経済に影響を与えるファンダメンタル要因を測るよりも、むしろ為替レートの変動に最も影響力のある要因をよく理解するほうが取引に有効になります。
次のレッスンでは、国の通貨に影響を与える主なファンダメンタルについてより詳しく説明していきます。
テクニカル分析とは、為替レートの推移や出来高などの歴史的な市場動向の統計を分析することにより有価証券を評価する方法です。FX業界では、テクニカルアナリストは、将来の為替レートを予測するためのパターンと確率を識別するために、チャートやその他のツールを使用しています。
FX上級者レベルの後半でこれらのチャートとツールについて学びます。テクニカルアナリストは、ある程度、過去の為替レートによって将来の為替レートの動きを予測することができると見ています。外国為替市場は、24時間開いているために大量のデータが利用可能であることから、テクニカルアナリストは為替相場に影響を与えるすべての要因(経済・政治・社会的・心理的要因)が市場によってすでに現在の為替レートに含まれていることを前提とします。
毎日通貨取引をしている投資家は多数存在するため、テクニカルアナリストは、市場の動向や資本流入が、予測した統計的の的確性を増すために、最も重要な要因だと考えています。
一部のトレーダーは、一種類の分析のみで市場を予測しています。しかし東西FXは、さらに予測の確証を上げるためにファンダメンタルおよびテクニカルの分析を両方同時に行うことが重要だと考えています。
では、次のレッスンに移動し、いくつかの重要なファンダメンタル要因について詳しく見ていきましょう。