「東西FXリサーチ」ECB6月会合の議事録に注目

2021年7月07日



文/安藤麻矢 – 東西FXリサーチチーム

ECB6月会合の議事録に注目

ユーロ/米ドルはポンドほどの動きがなく、かなり明るいPMIにもかかわらず、適度な上昇しか見られていない。ユーロ圏の産業とサービスの測定値は両方ともコンセンサス予測を上回ったことから、同ペアを 1.18ハンドルに引き上げた。

ドイツでは5月の工場注文が発表された。これは前年比54.3%増加し、前月比3.7%の減少となった。 ZEWの調査によると、7月の経済センチメントは63.3に縮小し、予想よりもはるかに悪化している。 EUのセンチメントも61.2に低下した。ポジティブな面では、EUの5月の小売売上高は、予想を上回り、前月比4.6%、前年比9%の増加となった。ユーロ高になるには良好なデータでは物足りないようだ。

Scotiabankのエコノミストは、日次のFXレポートで、ユーロに関する次の予測を次のように述べている。「欧州での1週間先にはEURを動かすデータはほとんどなく、大部分が幅広いドルのセンチメントに従うはずであるが、欧州中央銀行当局による一連のスピーチ と、木曜日に発表される銀行の6月の会合の議事録は、通貨にわずかな影響を与える可能性がある。 EURには、1.20マークの最終的な再テストのため、中期的に強力な経済データがプラスに働くだろう。」

いずれにせよ、中央銀行の現在のスタンスをよりよく理解するためには、明日の午後に発表される6月のFOMC会議の議事録を見ることが重要になる。この文書は、FRBの内部の議論に光を当て、予備的な量的緩和の先細りの議論についてより詳細な見解を与える可能性がある。

連邦準備制度理事会の議事録が、金融機関が金融引き締めにはるかに近づいていることを示唆している場合、ドルの緩やかな上昇を見ても納得がいく。一方、インフレ圧力が高まっているにもかかわらず、金融機関がハト派で政策の正常化を躊躇していると認識された場合、短期的にはドルがさらに下落する可能性がある。現行の物価安定の目安を変更すべきだというコンセンサスは存在するが、これに代わる基本原則について意見の溝はなお埋まっていない。柔軟性を持たせながらインフレ目標を2%と明示する案を支持するグループがいる一方、南欧出身のメンバーを中心に物価の伸びが目標を下回る時期の後には目標のオーバーシュートを容認する、平均インフレ目標に類似する考えを支持する向きもある。

米国のデータ面を見ると、サービス部門は減速したが、先月は依然として力強いペースで成長している。これは、全国的なパンデミック関連の規制の大部分が解除されたため、経済が完全な再開に向けて動いたことによる旺盛な需要に支えられている。 米サプライマネジメント協会によると6月のサービスPMIは5月の過去最高の64.00から60.1に低下し、予測の63.4を下回った。 この数値は期待を裏切ったものの、ほとんどのアメリカ人が就労しているセクターは13か月連続で健全なペースで拡大し、ダイナミックではないものの回復が進んでいることを示している。ユーロ同様に、米国でもインフレギャップをもたらすにはかなりの好材料が必要になる。


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